イメージは「ビーチコテージ」美しさと機能性を叶えた輸入キッチン
憧れの海外キッチンから始まった家造りで理想の空間を実現 東京都K様邸
「すっごく使いやすいんです、このキッチン!」そう語ってくださったのは、家を新築されたばかりのK様。奥様はボディボード、旦那様はサーフィンがご趣味とか。今回新築された二世帯住宅も海辺のコテージのような雰囲気のお宅です。
お料理が得意という奥様が選んだキッチンは、ヴィンテージ感のある白が基調。明るく爽やかな雰囲気のキッチンに合わせた雑貨などで部屋全体がトータルコーディネートされています。
当日はちょうど新築パーティーを開かれていて、オーブンからお料理を取り出して準備にお忙しい中、取材に応じていただきました。
■ショールームで一目惚れ!憧れの海外キッチンとの出会い
――素敵なお宅ですね。新築ということですが、家が出来上がったのはいつ頃ですか?
ちょうど2か月くらい前です。設計が始まったのが2年くらい前かな。家を建てることになってから少し時間がかかったので、その間にインテリアについていろいろ調べて納得できる家になりました。
――DeWilsのキッチンは初めからご存知でしたか?
知らなかったですね。ただ、最初からキッチンは海外のものにしたいと強く思っていたので、設計・建築をお願いした一条工務店の方にも「輸入キッチンを入れたい」とずっと言っていたんです。海外の映画などを見るとキッチンがすごくおしゃれじゃないですか。それで、インターネットでいろいろ探しているうちにDeWilsを見つけて「これだ!」と思って。あと、海の感じが好きで。そういうものを広げていったらこのキッチンになったという感じです。
――それからすぐにショールームに行かれたとか。
工務店の方に相談して、ショールームに一緒に行ってもらいました。そこで、まさに思い描いていたキッチンが打ち合わせをした場所にあって、「これ欲しい!」と。(笑)
本当に一目惚れでしたね。その時はこのキッチンにしようと思いました。
――イメージ通りのキッチンに最初に出会えるなんて運命を感じますね。その場ですぐに決められたんですか?
さすがにいったん持ち帰りました。実は、ショールームにもカタログにも価格表記がなくて。もしかしたらすごく高いのでは?とちょっと不安になって工務店の方に確認してもらったんです。それからしばらく悩みましたね。最終的には、毎日使うキッチンだけは力を入れようと思ってやっぱりこれしかないと。
リビング・ダイニングキッチンなのでソファーでくつろいでいる時にもキッチンが目に入ることもあり、いかにも台所っぽいものは避けたいというのもありました。
まずキッチンを決めて、そのイメージに合わせて家全体のインテリアを決めていったんです。
――「キッチンから始まった家造り」ですね。最初はシステムキッチンも考えられたとか。
システムキッチンの機能性も捨てがたくて。使いやすいようにできていますよね、システムキッチンって。他に、もう少しシンプルなものも考えたんです。
でも、本物の木で手作りしているDeWilsのキッチンは20年も30年ももつと説明を受けて、キッチンは大切にしたいという思いもあり思い切って決めました。
■キャビネットはアンティーク調の白をチョイス。デザインはおまかせで
――キャビネットの色合いがアンティーク調で素敵ですね。かなりこだわりが?
最初ショールームで見たのはもう少し濃い色だったんですが、カジュアルな感じにしたかったので一段薄くしてもらったんです。
――茶色が薄く残っていると陰影がついてキャビネットの模様も引き立ちますね。ノブの色や形など、細かい部分も最初からイメージがあったんですか?
ノブはかなり悩んだんですよ。最後にはわけがわからなくなって。写真を見せて「こんなイメージで」って言ったら「じゃあこれはどう?」って、デザイナーさんのアドバイスで決まりました。
――天井付近のモールディングで海外キッチンらしさが出ているように感じます。
コンセントや窓の位置などは最初から希望があったんですけれど、モールディングを含めてデザインに関してはもう全く分からなかったので「全部おまかせします!」という感じだったんです。(笑)
「ビーチコテージ」というイメージだけ伝えて、いろいろアイディアを出していただきました。
――イメージを伝えるって大切ですよね。
キッチンというよりリビングの家具の一部という印象になっているのはデザインによるところが大きそうですが、おまかせすることに不安はありませんでしたか?
なかったですね。最初に何枚かイメージしている海外キッチンの写真を持って行って、それで打ち合わせをして。そのあとイメージ画を何枚かいただいたので、安心しておまかせしちゃいました。
本当にあれだけの写真で、よくこれだけイメージにぴったりのキッチンにしてくれたと驚いています。
■理想通り!そのうえ機能的で使いやすいキッチンのお気に入りポイントは?
――イメージ通りのキッチンになりましたか?
もう、本当に理想通りで、それに料理もしやすくてすごく使いやすいんです。例えば、タッチ水栓っていうんですか?軽く触れるだけで水が出る水栓。最初にショールームで見たときは「何これ!?」ってびっくりして。
――タッチ水栓、私も欲しいです。ハンバーグをこねている時とか、水を出すのに困りますものね。
他にも、鍋に水を直接入れることのできる水栓をコンロの上につけてもらったんです。
――これは珍しいですね。
これ、すごく便利なんですよ!鍋に水を入れてコンロに運ぶのって結構重労働じゃないですか。特にパスタをゆでる時とか。コンロに鍋を置いてから水を入れられるので助かっています。ビルトインの浄水器もつけたのでそのまま使えて。
――浄水器はキッチンに?
大元につけたので、キッチンだけでなくシャワーやトイレまで浄水になっているんですよ。
――トイレまで?(笑)
そこまで浄水でなくても、とも思いましたけど。(笑)
――他に、設計段階で希望されたことがあれば教えていただけますか。
流しの前に窓をつけてもらえるようにお願いしました。これは工務店にですけれど。それと、炊飯器を置く場所に換気扇をお願いして、台も引き出せるようにしてもらいました。リビングから見えるので、ごみ箱もキャビネットの中に収納できるようにしてもらって。
あとは、オーブンを大きいものにするか悩みましたね。スペースの問題で、グリルを取るかオーブンを取るか選ばないといけなくて。魚は必ず焼くし…と思って最終的にグリルのついたコンロにしたんですけれど、やっぱり大型オーブンも捨てがたくて本当に最後まで悩みました。
――食器棚が見当たりませんが、食器類はキャビネットに収納しているんですか?
最初はこれで入りきるか心配だったんですけれど十分でした。まだ余裕があるので、これから食器を買い足していっても大丈夫そうです。
それに、コーナーの下の収納、くるっと回転して出てくるんですよ。意外とたくさん収納できてとっても便利です。
■ご自分で探されたタイルや照明を上手く組み合わせてたったひとつのキッチンに
――キッチンの青いタイルがポイントになっていますね。
あれは、インターネットで探したんです。少しカジュアルなものにしたくて。照明器具もネットで探しました。「こうしたい」というはっきりしたイメージがあって、逆にイメージ通りのものを探すのが大変でした。
あとは、扉に文字を貼ったり、ハンモックを下げたりやりたいことがあって。失敗したのは、キッチンの手元に照明をつけなかったことですね。
――確かに、ダウンライトが立ち位置より後ろにあると手元が影になってしまいますよね。
そうなんです。設計の段階で、つけたほうがいいと言われていたんですけれど、上のライトもあるから大丈夫かなって思って。ちょっと失敗でしたね。今、いい方法がないか検討中です。
――木製のキャビネットだと、掃除のしやすさなどはどうですか?
意外とツルッと汚れが落ちるんです、拭くだけで。だから掃除もすごく楽ですね。コンロの横は耐熱ガラスを貼ってもらったんですけれど、いらなかったくらい。
――主婦にとっては汚れが落としやすいのは嬉しいことですね。これから付け足していきたいものなどはありますか?
今度、ワイングラスホルダーと書類入れの棚などを追加でつけてもらうことになっているんです。公共料金の用紙とか、外から帰ってくると台所にとりあえず持ってきて、ということが多いじゃないですか。だから、それをしまえる場所を作ってもらいます。
――まだまだ発展していく可能性があるというわけですね。今日はどうもありがとうございました。
キッチンを拝見して、漠然としたイメージしかなくても実物に触れることでイメージが膨らみ、さらに、デザイナーとの会話の中でプロがそのイメージをくみ上げて形にしてくれたということが、満足度の高いキッチンの実現につながっているのだと感じました。
特にスペースの限られているリビング・ダイニングキッチンは、くつろいで過ごす場所からキッチンが丸見えになってしまいます。機能性だけでない、「家具」としてのキッチンを選ばれたことで「キッチンで過ごしている」という印象は全くありませんでした。
キッチンもリビングの一部として、むしろリビングを居心地よい空間にする大きな役目を果たしているようです。
最初に持っていらっしゃった「ビーチコテージ」というイメージ通り、お話を伺っている間も波の音が聞こえてくるような錯覚に陥る居心地の良いリビング・ダイニングキッチン。この先、20年、30年と、ご家族と一緒にキッチンも歴史を刻んでいくのでしょう。
「もし、今度リフォームされるとしたら?」という問いかけに、「またこのキッチンを選びます!」と力強く答えてくださったK様。
キッチンから始まった理想の家造り。DeWilsデザイナーの「デザインは80%、あとの20%はお客様がプラスしていって出来上がるように設計しています」という言葉通り、暮らす人のライフスタイルによって、同じようなキッチンでも全く違った様相を見せてくれます。
DIYが得意なK様のキッチンもこれからますます素敵な場所になっていくことでしょう。
■今回のキッチンを設計したDeWilsデザイナーにも聞いてみました
――お客様のイメージをどのようにして実際のキッチンに反映していくのでしょうか?
皆さん「このようなキッチンがいい」というイメージを持っていらっしゃっても、かなり漠然としたもので、細部まではっきりしたイメージを持っていらっしゃる方は少ないんです。それをいかにくみ上げていくか。
例えば、2時間話をしていたとしたら、実際にキッチンについての打ち合わせは15分位。それ以外の部分で、その方のライフスタイルや性格、好みなどを見極めてデザインしていきます。
――使いやすいキッチンのポイントは?
水栓やキッチン自体の機能も大切ですが、設計ではそれまでお使いになっていたキッチンの配置なども考慮します。例えば、コンロとシンクの位置がそれまでと逆になってしまうと使いにくさを感じるので同じ配置にする。そのような、身に付いた動線に逆らわない設計も意識しています。
――デザインする際にこだわっていることは?
動線はもちろんですが、いかに美しくキャビネットを配置するかといった見た目にはかなりこだわりますね。
今回こだわったのはモールディング。日本にはないデザインです。ただ、そこだけが主張するのは避けています。
全体を見て調和がとれているトータルコーディネートにこだわって、お客様のイメージを実際の形にしていくことを大切にしています。
(インタビュー・記事:K.O. 撮影:Y.T.)